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さあどうぞ召し上がれ、と 切った瞬間に野菜が語りかけているように思えることがあります。
畑から収穫したばかりの野菜を、調理することができる自分はなんと幸せものだろうとも思います。

アパレルデザインの仕事をして6年、フードコーディネーターの仕事をして20余年、
そして駆け出し農業者と6次産業化事業者として歩み始めた今の私は、
野菜や農業の先輩から日々いろんなことを教わっています。

社会には様々な問題が起きており、自分の周りにも悩みや苦しみが満ちています。そんな私達に野菜は、そのはっとする色合いや、鮮烈な香り、個性豊かな形で、クヨクヨスルナ、アカルクイコウ、と語っているように思えるのです。

数年前、一人暮らしで、メチャクチャな食生活をしていた弟と、叔父さんを同時期に亡くすという経験をしました。私は食事で人々を健康に、幸せにしたいと心がけていたつもりでしたが、それを自分の家族にしてあげることができませんでした。大人になってから、食の志向を変えることは本当に困難です。健康は、自らそうなろうと決心しなければ実現が難しいのです。

それでも私は目指したい、心も体も健康な人々が、明るい気持ちで暮らす事のできる、希望ある社会を。
目の前の野菜たちが後押しをしてくれている、そう感じながらこの仕事に取り組んでいます。

 

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